『知的複眼思考法』を読み返した
『知的複眼思考法』を読み返した
読み返した経緯
『解像度を上げる』という本を読んでいて、疲れているときに読んでいたこともあってか、いまいちピンとこない状態が続いていて、放置をしていた。再度読もうと思った際に、「終わりに」で挙げられている特に参考にした書籍として挙げられていたので、久々に読み返してみるか、と思い、手に取った。持っているのは、2002年に講談社+α文庫として刊行されたもの。
読み返してどうだったか
最初に読んだのがいつだった忘れてしまったものの、 (読む・書くということを通じて)「自分の頭で考える」ということを分かりやすく、例を挙げて具体的に書いた本は、ほかにはないと感じる。高校を卒業したての大学1年生に読ませるのにちょうど良い。
特に自分が大事だと考えることとして、
- 決まり文句や紋切り型の言葉に流されることなく、自分との関わりの中で考えるという姿勢
- マジックワード(人の考えを止めてしまう抽象的な概念)・禁止語への注意
- 概念の導入による新しい発見(ジェンダーという言葉の導入)
- 問いに対するメタな視線(この問題を問題とすることで得をする・損をする人はいるか)
といったことが書かれていて、あーそうそう、とよい復習になった。(というか、そもそも、昔にこの本を読んでそういったことを大事だと考えるようになったのではないか。)
ただ、文章の例として引用されている新聞記事だったりが、いかんせん古いところが気にはなった。文章の内容を批判するにあたって、いまの世の中での前提と、当時の世の中での前提の違いを意識しながら読む必要がある。そういった前提に気をつけながら読むことも重要な訓練ではある(実際、書籍内のコラムでそういった読書法が紹介されている。)し、知的複眼思考という概念自体は刊行当時であっても今も身につけるべきものであることに変わりはない。ただ、この本を手に取ってパラパラめくって例として挙げられている文章を読んだ際に、「古くね?』と思われてしまうとしたらもったいない。改訂なりアップデートなりされれば、大学生協なんかでバカ売れするはずだし、人にも勧めやすくなるので、改訂されないかなぁ。
関連する本など
『解像度を上げる』も読むつもりではあるが、特に参考にした書籍として『知的複眼思考法』以外に挙げられている書籍を読んでみましょうかね。 特に、『論理的思考のコアスキル』は気になったし、書籍の存在を知らなかったので、読みたい。
試験対策本をできる限り避けて応用情報技術者試験を受けた
試験対策のために書かれた本を読むのは、割と苦手というか苦痛である。おそらくは、試験対策本には全体の流れというか構成の意図がみえないことと、目的を縛られることが原因だと思われる。試験対策本を読まなくても、その内容に関する知識や考え方が分かっていれば問題は解けるはずなので、試験対策本をできる限り避けて勉強をしてみた。
また、応用情報は試験範囲自体がとても広く、各トピックを個別の書籍などで勉強しようと思ったときに、ちょうどよい書籍を選ぶ・探すのが難しかったように感じる。試験について調べると試験対策本ばかりが出てくるので、同じように個別の書籍で勉強したいと考える人にも参考になるかもしれない。
なお、先週の2023年4月16日に受験した。自己採点をした結果、午前は合格しているようで、午後も感触的には合格点は取れているはず。
大前提
これを書いている人間は、非IT系の仕事をしている理系博士号持ちの30代。プログラムは仕事で書くことはほぼない。普段の読書量から考えて、文章を読むことは世間一般と比較してかなりできる方であるので、午後試験への無対策度合いは一定程度割り引いて読んでほしい。
試験の直近3ヶ月くらいで読んだ本
達人に学ぶDB設計 徹底指南書
わかりやすい。データベースの設計についての話なので、SQLについて知らなくても読めることは読める。サクサク読むことができる。
暗号技術入門 第3版
数学が得意(一般的な大学理系)であれば、ちょっと冗長なところもあるものの、前提知識が全くなくても読めるのは魅力。
図解入門TCP/IP
ネットワークについては、ざっくりとした説明の本だと、細かい話が理解できないし、こういった割と細かい話が書いてある本だと、じっくり読む必要がある。ざっくりした概要について理解しているものの、細かいところについはあまり覚えていないので、知識を身につけるためには何度か読み返す必要がある。
あと、なんで物理層から説明するのだろう。例えば、実際のウェブページにアクセスしたときにやメールを送付するときとか、ユーザーの末端から、どのおようにネットワークで情報が伝播するかという流れでアプリケーション層から説明した方が分かりやすいのではないかと思った。
セキュリティ技術の教科書 第3版
こちらについてもネットワークと同様に、細かいにところについては理解が及んでいないところも多く、とりあえず1回読んだという状態。仮に、情報処理安全確保支援士試験を受けるときになったら再読したい。
読んだことがあって、役に立った本
- SQL 第2版 ゼロからはじめるデータベース操作
- Pythonによるアルゴリズム入門
- 問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造
- 現代数理統計学の基礎
- 担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座
読んで得ていた知識が応用情報の問題に出てくることはあるかもな、といった本。読んだ時期もまちまちだし、応用情報技術者試験に対しては完全にオーバーキルなので、試験のために読むといったことはない。
過去問
仮に落ちたりしたら7500円が無駄になるので、一応、過去問など試験対策もしていない訳ではない。
午前試験対策
- 全問解説付 応用情報技術者 午前 一問一答問題集
iPadのアプリを購入してちまちま進めていた。基本的に通勤の帰りの電車で、もうほかに何もする気力がないときにやるようにしていたので、勉強する環境としては最低の状態だった。特に進捗管理をせずに進めており、最終的に問題の7割を1回解いたくらいの状態で試験に臨んだ。
正直、中途半端に勉強するくらいなら上記の本を読むときに一つ一つの用語に注意して読んだ方が精神衛生上よい気がした。ただ、今回の自分の勉強の仕方だと全て必須回答である午前問題の方が点数を取ることが難しいはず。午前試験は本当に過去問が使いまわされているので、確実に合格したいのであれば、過去問をある程度学習しておいた方が良さそう。
もう少し効率的にやるのであれば、試験1月前くらいに直近の過去問を80問解いて合格ラインに達しているかどうか判断した上で、過去問の勉強をするかどうかを決めればよかった。
午後試験対策
- 応用情報技術者 午後問題の重点対策
一応、定番ということで買ってみた。明朝体をボールドにしていたりフォントが見づらい。試験1ヶ月前にデータベースとプログラミングの問題を1年分解いて、組み込みシステム開発の問題を見て、この3つで確実に50点は取れそうであったので、それ以降は特に何もしなかった。
実際の試験の感想
試験時間が長すぎる。午前・午後ともに2時間30分あり、どう考えても時間が余る。そもそも問題の性質上、時間をかければ解けるといったものでもないので、どちらも2時間とかもう少し短くてもよいのではないか。ただ、幸いなことに、途中退室が可能なので、いかに早く終わらせるか、という勝負になる。実際、午前は90分、午後は100分で退室した。しかし、午前と午後の試験の間は、もともと1時間の休憩時間があるので、実質2時間待つことになった。
駅から試験会場まで、大量の受験者の列ができていたので、割と時間には余裕を持った方がよい。ただ、開始30分までは入室可能なので、試験開始後に入室してヒマな時間を削減するのもありかもしれない。もちろん、周りの人間は気が散るので迷惑ではあるが。
同じ3人がけの机で受験していた人が午前試験を受けたのにもかかわらず、午後試験は受けていないようだった。受験料がもったいない。あと、空席も多かったので、そもそも試験に来ていない人も多い様子。
午前試験
1問1分くらいのペースで、最初に問題用紙の選択肢に印をつけていった。最後まで解き終わったらマークシートに転記し、そのあと解答とマークミスがないかどうか確認をして90分。
午後試験の選択問題
午後試験は、
- 情報セキュリティ
- プログラミング
- データベース
- 組み込みシステム開発
- プロジェクトマネジメント
を解いた。プロジェクトマネジメントは、過去問含め初見だったので、問題の趣旨というかどういったラインでの解答が求められているかわからなかったけれど、とりあえず全部埋めた。
当日は、プログラミングに40分くらい時間をかけてしまって少し焦ったものの、それ以外の問題については特に詰まることもなく、15分くらいで解いていって100分で終了。
プログラミングについては、最初にアルゴリズムを理解しようとしたせいで時間がかかってしまった。問題となっている箇所は、正直アルゴリズムを理解していなくても答えることができたように思うので、時間が足りなくなった場合は解答を作ることを優先することもできるはず。
これからどうするか
合格しているという前提で、秋試験で何を受けようか悩む。一番簡単なところであれば、データベーススペシャリストなのだろう。とりあえずTOEFLと受けたくて、可能であれば統計検定1級も受けたいなと考えているので、時間の使い方には悩みそうだ。
社会人1年目の教科書にも書かれていたとおり、半年に1つくらい資格試験をセットしてモチベーションを保つようにしたい。
『入社1年目の教科書』を読んだ
自分は入社1年目ではないけれど、4月から社会人になる人のお祝いの席に参加して、感慨深い気持ちになってので読んでみた。自分が入社1年目のときに、同期の間でこの本が流行っていたので、買ってはいたものの、当時は読んでいなかった。
全体として賛否両論が大きくなるだろうな、と思った。2011年に発行されたこともあって、今の時代にはそぐわないであろうものもあるし、そもそも主語が分からない、日本人全員を主語としている記載なのか、いわゆるホワイトカラーの仕事に携わる人間だけを想定しているのか、この本を読んで面白かった・ためになったと思う人間だけを対象にしているのか、そこの範囲を補ってあげないと、賛成なのか反対なのか、といった議論はできない。
ただ、社会人としておよそ5年間働いた時点の自分からすると、総じて賛成する点が多かったように思う。どういった業種・職種なのか、組織においてどのような立場なのか、そもそもどのような組織で働いているのか次第なであるので、本書でも時折書かれているように、「お、確かにこれはいいな」と思った点を盗むような形で役立てればよいのだろう。
そのほか、時点ごとに定点観察しても面白いかもしれない。入社1年目で読んで、大事さが理解できなかったものが、5年経つと確かに大事だよねと思えるようになっているかもしれないし、逆に最初重要だと思っていたことだけれども、大して重要ではないものもあるかもしれない。また、もちろん個人の変化だけでなく、時代の変化よっても良し悪しといったものは変化するだろう。
自己の考え
定点観測ということを目的として、本書に記載されている各項目について、次のとおり4パターンに分けて考えてみる。一応、実践するべき/するべきではない、という軸ではなく、するべき/するべきと(まで)は思わない、という控えめな軸で考えていることに注意である。
○ | 実践するべきと思うし、実践している |
---|---|
□ | 実践するべきとは思わないものの、実践している |
△ | 実践すべきと思うけれど、実践できていないもの |
× | 実践すべきとは思わないし、実践していないもの |
1 何があっても遅刻はするな → ◯
当然。失うもの=信頼が大きすぎる。「何があっても」にどこまで含まれるか次第。例えば、次の日が大雪予報だから、出勤できないことを見越してPCを持って帰ってテレワークできるよう備える、とか自分の仕事に対する責任感を持つ、ということが大事なんだろう。
2 メールは24時間以内に返信せよ → △
たしかに何らかの形でリアクションをとるべきではある。現状は相手を選んでいる。相手を選ぶこと自体が良くないので直すべきか。あと、営業日で24時間以内、という前提で△。
3 「何のために」で世界が変わる → ◯
目的を持つことが大事。そうでないと、単なる作業になってしまうから。可能であれば自分で目的を見出せればいいけれど、最初はわからなければ「何のための仕事か」聞くのもあり。目的がわからず、素っ頓狂なものを作ってしまうのが一番の無駄。
4 単純作業こそ「仕組み化」「ゲーム化」 → ◯
これも大事。自分なりに一味付けてみることで、単純作業になってしまうことを防ぐことができる。
5 カバン持ちはチャンスの宝庫 → ◯
今ではなくなったけれど、メモ取りとかで連れて行かれることは多かった。ただ、そのときには何が何だか分からん内容ばかりだったので、今ならもっと色々と見ることができるだろうな、と思う。1年目のときなら大事さが分からなくて□だったかもしれない。
6 仕事の効率は「最後の5分」で決まる → ◯
手戻りが一番の無駄。分からないことを分からないと言うことが大事。自分が真面目に話を聞いたり勉強したりした上で、分からないものを聞いたときに、そのことに対して文句を言ってくる上司などがいたら、そいつが悪いだけなので気にしない。
7 予習・本番・復習は3対3対3 → △
自分が参加する場合は、おおよそできているか。ただ、周りにそうさせることができていないので、要改善。
8 質問はメモを見せながら → △
これは大事な心得だと思った。自分で事前にまとめずとも、メモだけは持っていくこと。
9 仕事は復習がすべて → △
忙しい、ということにかまけてできていないことが多い。
10 頼まれなくても議事録を書け → △
議事録を書くことはとてもよい文章の訓練になるので、ぜひ入社したての人に書いてもらって、参加者に見せてフィードバックをあげられるとよい。議論のポイントが何なのかつかむ訓練になる。
11 会議では新人でも必ず発言せよ → ×
内容と状況による。発言がマイナスの印象を与えることもあるので、必ず発言するというのはいきすぎのように感じる。
12 アポ取りから始めよ → △
フットワークは軽くいたい。アポ取りして何をするか次第でもあるけれど、ヒアリングとかであれば「情報は原典に当たれ」とも関連する。
13 朝のあいさつはハキハキと → ◯
基本。そして意外とできない・しない人が多い。
14 「早く帰ります」宣言する → ◯
仕事さえやっていれば良いでしょ、というスタンスを持つ。持っていることを示す。もちろん、自分の仕事だけ、ということもなくて、周りのフォローなども当然やる。
15 仕事は根回し → ◯
大事。俺に話が入っていないとはどういうことだ、と考える人は結構いる。そういった人を味方につけられるか敵に回してしまうかで、その後のやりやすさがが段違いになる。
16 仕事は盗んで、真似るもの → ◯
「誰が何に強いのか」ということを早く分かるようになるとよいと思う。たいていの人には、これまでの経験から生まれる強みみたいなものがあるので。盗む・真似るということは、本人に聞いてはいけないということを意味しないので、なぜそうしたのか背後にある考えが分からなければ、ストレートに聞けばいいんじゃない?と思う派。
17 情報は原典に当たれ → ◯
当然。
18 仕事は総力戦 → ◯
意外と勘違いしている人が多い。自分が快適であればよいという人がたまにいるので、そういった人間にならないように注意しなければならない。
19 コミュニケーションは、メール「and」電話 → ×
これは時代(とツール)の変化で×。電話でなくとも方法があるし、書籍で書かれている状況(忙しい人へのコミュニケーション)だとむしろ電話がうざがられるのではないか。
20 本を速読するな → ◯
本を速読しよう、というトレンドとは無縁、というか存在するのか?
21 ファイリングしない。ブクマもしない → ×
仕事次第。
22 まずは英語を「読める」ようになれ → ◯
得られる情報量が段違いであることと、英語で書かれている本は世界全体を市場として捉えているせいか、かなり優しく丁寧に書かれていて好き。その分、分厚くなるのだけど。また、「まずは」は「読める」だけでなく「英語」にも係っていると思う。要は、英語だけ読めるようだと、それはそれで英語圏から見た世界しか見えなくなってしまう。
23 目の前だけでなく、全体像を見て、つなげよ → ◯
大事。だけど難しいので、常に意識するくらいでいるのが精神的に良い。
24 世界史ではなく、塩の歴史を勉強せよ → △
歴史を勉強できていないので猛省。これから頑張ります。
25 社会人の勉強は、アウトプットがゴール → △
インプットして満足しがち。アウトプットする場を自分でどう作るかが肝要。
26 脳に負荷をかけよ → ◯
使わねば錆びる。deliberate practiceですよ。
27 自分にとって都合のいい先生を探せ → △
本が先生、で◯にできるか迷ったので△。授業的なペースを自分がコントロールできないものが苦手すぎる。
28 ペースメーカーとして、資格試験を申し込む → △
これは重要性を最近痛感したので、半年に1つくらいのペースでこれから実践する予定。
29 新聞は2紙以上、紙で読め → △
紙で読む必要はないと思う。ただ、良いデジタルとイマイチなデジタルがあるのは事実。自分の興味に最適化され過ぎて、想定していないふとした出会いが生じないデジタルはイマイチなデジタル。なので、デジタルであっても基本は朝刊・夕刊の画面で読むことにしている。
2紙以上、の部分には賛成だけどできていない。日経新聞に何かを足したいのだけど。The Economistがもう少し楽に読める英語力になれば、追加するつもりでいる。
30 仕事に関係ない人とランチせよ → △
仕事がら、そういった機会がまるでないのだけど、したいんだよなぁ。
31 スーツは「フィット感」で選べ → ◯
サイズが合っているかどうかが重要。割と外れ値の骨格をしている自分としては、オーダーがマスト。
32 「あえて言わせてください」で意見を言え → △
それができる組織(心理的安全性がある組織?)であればそうなんだけど、おそらくあらゆる組織がそうかと言えるとNoで、うるさいやつ、ということで煙たがられる組織だってあるはず。なので、◯であると言いづらい。もし、うるさいやつ、だと思われるようになったらそんな組織は辞めてしまえ、とまで書いてあれば○。今書くとすればこの記述が追加されそう。
33 敬語は外国語のつもりで覚えよ → ◯
基本。そして割と間違えている人が多い。
34 相手との距離感を誤るな → ◯
大事。特に異性相手。
35 目上の人を尊敬せよ → ×
人による、としか思えない。そもそも「尊敬」という感情があまりよく分からないまま、ここまで生きてきてしまった。
36 感動は、ためらわずに伝える → ◯
1年目では大事さが分からなそうだけど、かなり大事。特に感謝とお礼。素直で良いんだよ、素直で。
37 上司にも心を込めてフィードバックせよ → ◯
上司に限らないけど、大事。
38 ミスをしたら、再発防止の仕組みを考えよ → ◯
人間の注意力には限度があるので、単純作業などは、脳死している状態でもミスらないやり方を考えることが大事。
39 叱られたら意味を見出せ → ◯
ただ単に何かを指摘されているのか、怒られているのかを分けて考えることが大事。そういった面だと、叱られたことはないので何とも。叱られたと(自分が)感じたときは、何を指摘されているのかと考えろ、ということだと解釈した。その意味では○。
40 幹事とは、特権を得ること → ◯
自分で店を選びたいし、gdgdして欲しくないから◯。確かに、段取りの練習にはなるけれど、業務外でやりたくねーよ、という気持ちも分からんでもない。
41 宴会芸は死ぬ気でやれ → ×
表現が適切ではないのかな、と思う。キャッチーにしたかったのかなとも。自分は宴会芸をやる機会がなかった。
42 休息を取ることも「仕事」だ → ◯
月曜日のフレッシュな状態で平日5日間仕事ができたら、もっと進むのになぁと最近思う。メリハリをつけたい。あと、年齢とともに体力が落ちるので、それにどう抗うか考えることも大事。
43 ビジネスマンはアスリート → ◯
うーん。自分はそう思うけれど。そこまで仕事したくないんだけど、という人もいる。
44 苦手な人には「惚れ力」を発揮 → ×
苦手な人と無理に付き合う必要はない。どうやっても無理な人間は存在するので、距離をとる、関わらないという選択がベストなときもある。やばい奴からは逃げる一択。
45 ペース配分を把握せよ → ◯
仕事は長距離走。ただ、皇居ランナーの例えはよく分からなかった。みんなそんな感じで走っているだろうか。
46 同期とはつき合うな → ×
「付き合う人間を同期だけにしてはいけない」ということであれば◯。同期と出世争い、みたいな発想が全くないからなのかもしれない。同期だからこそ話せることがあるので、同期は大事にすべき。ただ、これも組織の雰囲気次第なのか。
47 悩みは関係ない人に相談 → △
人脈がなさすぎてできていない。悲しい。
48 社内の人と飲みに行くな → ×
「社内の人とだけ飲みに行くのは良くない」という点であれば◯。社内だろうが、社外だろうが飲みに行きたい人と行けばよいのではないか。これも人脈がなさすぎてできていない。
49 何はともあれ貯蓄せよ → ◯
お金の余裕は心の余裕。ある程度の金銭的余裕を確保しておくことが大事。
50 小さな出費は年額に換算してみる → ◯
まあ、コンビニとか月に1回使うか使わないかくらいなので、年額に換算するまでもないのですが。
その他
コラム2の中に書いてある
ほんの一握りの優秀な人、ほんの一握りの優秀ではない人を除けば、大部分の人の能力にほとんど差はありません。
というのは、全体として誰を想定しているのかよく分からないせいもあって、無責任な記述のように思えてしまった。(狭い定義として、自分が仕事で関わる人間に限定したとしても)いやいやそんな訳ないやろと。ライフネット生命の社員の方々を指しているのだろうか。
その次に続く
やがて大きな差になって表出してくるのは、広い意味での勉強をし続けているかどうかということなのです。
が大事なことだけあって、前段が気になってしまった。自分が補うなら「入社1年目で横にいる同期との能力の差なんてないに等しい。」として、後段につなげるのだろう。
歴史の分かり方が分からない
あー歴史ってなんだか苦手なんだけど、「いまここ」の世界がどういった経路をたどってきたかどうかある程度知っておかないと教養がない人間みたいで恥ずかしいし、常識として基本的なことは知っておかねばなるまい、といった気持ちから『20世紀のグローバル・ヒストリー:大人のための現代史入門』を読んだ。読んだ結果、ふわっと分かったような気もしつつ、数日経過すると読んだ内容を忘れてしまって結局なんだっけかな、という状態になってしまう。あとはタイトルのとおり。
別に歴史なんて知らなくても生きていけるんじゃね?と考える自分もいなくはないものの
- 分かったら面白く思えてくるのではないか
- 戦争をしてみるとか、現在で実験をする訳にはいかないので、過去の出来事から教訓を抽出することができる
- これから100年間に起こること全部を知ることはできないけれど、(マクロなスケールで)これまでの数千年の歴史を知ることはできる
ということもあって、なんかロマンみたいなものを感じるには感じるので、分かることができるなら分かってみたいと思いはする。
あと、『20世紀のグローバル・ヒストリー:大人のための現代史入門』の296pに出てきた、西ドイツ大統領のヴァイツゼッカーによる演説の
過去に目を閉ざすものは、現在も見えなくなるのです。
を読んで、なんかドキッとしてしまった。
世界史の授業をただ受けていただけの高校生のころとは違って、一応立派な大人でもあるので、じゃあ歴史が大変苦手である自分がどうすれば「歴史が分かった」と思えるようになるのか、少し考えてみる。
なぜ分からないか
基準となるものがない
西暦で語られたときに、それが大体いつぐらいの出来事なのか、数字として理解できるものの、その時点をどの時点から眺めたら良いかが分からない。新しく何かの出来事を知ったときに、その出来事を関連づける先がそもそもないので、その時点では「ふーん」と思ったとしても、ほかの出来事に関連づいていないため、すぐ忘れてしまう。
上記の問題は空間的にも同様である。国の名前が複数出てきたときに、それがどれくらい物理的に離れていて、なおかつその時代の交通手段においてどのくらい距離を感じるものなのか理解できない。
人の名前を覚えられない
人の名前を覚えるのはかなり得意な方なのだけど、歴史となるとこれがトンとだめになる。自分が人の名前を覚える際には、顔、全体のサイズ感、動き、声など、自分がその人と直接関わった際に得られる情報に紐づけて覚えているっぽい。特に、陸上部だったこともあってか、歩き方で覚えている節があるので、遠目でも人を認識できたりする。小説を読んでいるときに登場人物の名前をすぐに覚えられるかと言われれるとそんなことはないので、やはり生で得た情報を使っていると思われる。
当然、歴史において登場する人たちは、顔写真はないし、目の前で歩いてくれることは絶対にない。メジャーどころであれば、絵などで顔が載っているもののあるものの、顔だけでは情報が少ない。
え、なんでそんなこと分かるの?という疑問が押し寄せる
本に書いていることが、およそ確からしい歴史的な事実として確立されるには、どういったプロセスを経ているのか気になってしまう。それって当時の新聞とかに書いてあったの?それって残っているの?というか新聞ってそのときあったの?壁画?・・・おそらくはあらゆる古文書などをひたすらに解読していった努力の上に成り立つ記述なのだろうが、そんなことどうやって分かるんだよ、と勘繰ってしまう自分がいる。
歴史を分かるためにどうしたらよいだろうか
基準となる軸をどうにかして作る
山川の教科書を何回も読んだり、一問一答や用語集を繰り返し読んだりすれば、ここの出来事をどうにか記憶に留めて、かつほかの出来事と関連づけるというところまで辿りつけるのだろうが、わがままな大人に育ってしまった以上、そこまでの忍耐はなさそうである。とりあえず、自分の興味を引くものから
興味のあるものの歴史を読んでみるのはどうか。「〇〇の歴史」という本は、結構な数が出版されているので、こういったトピックが限定された歴史から取り掛かるのはどうだろうか。有名どころであれば『砂糖の世界史』がある。当たり前のように自分の本棚にも眠っていた。ある種、「砂糖」を軸にした歴史を読むことで、「砂糖」との関連から見たさまざまな出来事や、「砂糖」の変化、要はいつから作られ始めて作り方がどう変わっていっていつどこへ広まったのか、によって時間軸においても迷子にならずに済むのではなかろうか。
とりあえず、「〇〇の歴史」やそれっぽい本をAmazonで調べて欲しいものリストを作成してみたところ、20冊以上あったので、面白そうなものから読んでみようかと思う。まずは食べものから攻めるのが面白そう。砂糖、珈琲、茶、チョコレート、ミルク、ジャガイモ、トウガラシ、ワインなどが見つかった。これだけでも結構な分量になる。
ほかにも、文字情報以外の情報を得ることによって、記憶のとっかかりを得るという方法もあるかもしれない。国語の資料集なんかをぼけーっと眺めているのは割と好きだった。教科書などで採用されている世界史の資料集は、凄まじい情報量であるにもかかわらず、とても安い。本屋で見繕ってみて、買ってみたい。
人を顔で覚える
聖徳太子の顔は、資料かなんかが残っているからなのだろうか、教科書にも載っていたように思うし、記憶に残っている。記憶へのとっかかりになるのであれば、正確な顔である必要はなく、人の名前と顔が結びついていればよいのではないか。そこで手段になりそうなのが、「歴史学習まんが」ではないだろうか。調べてみるといくつかの出版社から出ているようで、なおかつ各々が特色を出して競争しているよう。ざっと見た限りでは角川のが一番良さそうではあったが、絵柄や髪質の好みなどもあるので、実際に現物を見てみたい。
歴史(の記述)がどう作られるのかを勉強してみる
歴史の記述の作り方ってこうしているんですよ、という話は、それはそれで面白そうではある。学問として歴史がどのように構築されているのか・すべきなのかという視点は、歴史を分かる上で、知っておいて損はないのではないか。
大学院時代にたまたま手に取って途中まで読んだ『史学概論』は、書いている人間の知性の高さがほとばしっている本だったと記憶している。それでいて素人にも読みやすいときたものだから、ありがたい。この本に限らず歴史学の書籍を手に取ってみるというのも一つの手段かもしれない。
そもそも歴史が分かったって何?
というか、歴史以外の物事の分かり方が分かっているかというと、まるでそんなことはない。物理学の理論であれば、流石に分かり方も含め分かる気がするものの、実験とかが絡んでくると自分の分かり方が「正しい」のか分からなくなってくる。そもそも分かり方の「正しさ」はどう定義するのだろうか。
こうして細かいことを考えだすとキリがない。とりあえず、「いつどこで誰が何をしたのか出来事と、その出来事が何に影響を受けたもので、何に影響を与えたのか、それらの出来事が影響を与え合えあうものが時間・空間的に連綿と続いているものの体系を把握していること」を自分が目指しているところの「歴史が分かる」という状態としてしまうことにしよう。
この先どうするか
とりあえず、
- 月1冊くらい、個別の「〇〇の歴史」といった本を読む。まずは、食べ物から攻めてみる。
- 資料集は本屋で買ってこよう。すぐに手に取れるところにおいて、パラパラと眺めたい。
- 歴史学習まんがは現状置き場所がないため買うことができない。夏には本棚が拡張される予定なので、そのあとまだ欲しいと思っていたら買うことにする。
といったところから始めてみたい。
THE GUILTYを見た
NETFLIXでサムネイルを見てあれ見覚えがあるぞ、と思い俳優を調べたところ、ジェイク・ギレンホールという人らしい。調べてみると、デイアフタートゥモローの主人公ではないか。デイアフタートゥモローは10代のときに地上波で放送したら必ず見ていたこともあって、見返した回数がトップ5くらいに入る映画だった。
911のオペレーターを勤めるジョーが女性からの通報を受けて事件が始まる。基本的にオペレーターと登場人物の通話を通して物語が展開していくようで、設定的にありそうであまりないし、90分と手頃な長さでこれは面白いそうだ、と思いマイリストに入れていたところ、時間が取れたので見てみた。
設定はよかった。ただ、徐々に明らかになっていく「明日」の出来事について驚きがそこまで大きい訳でもなく、それ以外の物語の展開はベタ中のベタで最初に思いついて流石にそれはないですよね、と思ったものだった。途中までハラハラしながら見れていたもののオチが予想通りすぎて、緊張感がどこかへ飛んでいく。油断したところで、さらにもう一度ひっくり返すくらいあってもよかったなとどうしても思ってしまう。TENETなどを見たせいでハードルが上がっていたのかもしれない。
見終わったあと、調べてみるとどうやらデンマークの映画のリメイクらしい。NETFLIX版を見た後すぐにリメイク元を見る気にはならないが、もしかするとリメイク元の方が面白かった可能性もある。
ジェイク・ギレンホールの演技は、怖いくらい迫力があった。ジョーのイライラや精神的な不安定さが観ているこちらにも伝わって来るくらいに。ただ、オペレーターの通話で物語が進行するのであれは、映像による情報の伝達はもっと薄いくらいがよかったのではないか。英語は字幕なしでは聞き取れないのだけれども。
似たような設定
この設定に似たもので何かあるかと思ったところ、ぱっと次の本が思いついた。
- 『恋文の技術』(森見登美彦)
- 主人公が出す手紙だけで物語が進行する。「書簡体小説」というらしい。
- 『Q&A』(恩田陸)
- ある事件に関するQ&Aだけで物語が進行する。
- 『プラスティック』(井上夢人)
- 謎の独白文だけで物語が進行する。
いや、もちろん「十二人の怒れる男」とかも似たような設定なのだろうけど、古いわ。ワン・シチュエーションという点で言えば「ソウ」とかも近いのかもしれない。なんだかんだで割と好きなタイプではある。
『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』を読んだ
本を読んだあとにメモなりブログなりってどうやって書けばいいのだろうかいつまでたってもわからないのだけど、やはり読んで読みっぱなしというのもなんだかもったいない気がするので何か書きたい。そうやって、今の状況をありのままに書いたとしてもその後の筆が進む訳ではなく、「書く」という行為はやはり難しい。
数々の素晴らしいブログの記事や独学大全を執筆した読書猿さんなどは、さぞスラスラを文章を書いているのだろう。自分はなぜできないのか。そう思ったときには本書を取るといい。世の中の「文章が書ける」人たちも、あーだこーだ言いながら道具を変えたりして苦しんでいるのだ。
これから先、また書くことが辛くなったとき、そっとこの本を開くだろう。同じように苦しんでいながらもなお、書くことをやめない人に勇気をもらうために。
気になった点について
「何者」になるとは「何か」
ヒトとしての成熟が、「自分はきっと何者かになれるはず」と無根拠に信じていなければやってられない思春期を抜け出し、「自分は確かに何者にもなれないのだ」という事実を受け入れるところから始まるように(地に足のついた努力はここから始まる)、書き手として立つことは、「自分はいつかすばらしい何かを書く(書ける) はず」という妄執から覚め、「これはまったく満足のいくものではないが、私は今ここでこの文章を最後まで書くのだ」と引き受けるところからはじまる。
ちょうど、今の仕事を続けて良いのかどうか考えているなかで、「きっと自分は何者かになりたいんだ」と考えた2日後くらいに、読んで打ちのめされる。そう、結局のところ何者にもなれないかもしれない恐怖を持ち続けなければならないことは分かっている。ただ、それでも「何者」かになりたいと願って努力を続けたいと思ってしまう。
冷静になって考えてみると「何者」かになるとは一体どういった状態をさすのだろうか。ここでいる「何者」とは一体なんなのだろうか。それは誰が決めるのだろうか。知名度?お金?社会的地位?番人が受け入れられる「何者」の基準はあるのだろうか。(まあ、ないのだろう。)
今これを書いている瞬間は、自分が何をやりたいのか迷子の状態だからなのかもしれないが、「何者」かになる、ということは、
- 自分がなりたい者が一体なんなのか理解する
- それになった
という二段階に分けられるのではないか。そう考えると1すら出来ていない自分からすると、1が出来た時点で結構すごいことのように思える。1ができれば2ってそんなに難しくないような気もしてしまう。
ただ、2で目指していた者になった途端に、その位置から新たに自分がなりたい者が出てくるのではないだろうか。そう考えると結局「何者」にかになるなんてby definition で不可能なのではないかという気がしてくる。終わりはないんだし長い目で「地に足つけて努力する」かという気持ちにもなれる。
準備された台本と、それを超える現場でのライブ感
小説を書くようになって思うのだが、先にアイデア出しをして整理しておくことのマイナス面があり、必要なパーツを組み立てるように書いたときの文章の感じと、なんとなくイメージを膨らませていくような自由連想的展開を比べるなら、後者の方が独特の 禍々しいとも言えるような迫力が出る。(1) 事前にある程度プロットを組み立て、それを実現するために本文を書くという書き方をする面と、(2) その書き方をしている途中で脱線的にイメージが出てきて奇妙な部分が書けてしまうときがあるのだが、後者の方が文学的旨みが強いと感じる。大規模なものになれば(1) なしでは難しいと思うが、(2) が起きることが大事(偶然なのでコントロールできないのだが)。
この一節を読んだときに、思い出したのは、テレビプロデューサーの佐久間宣行がラジオやYouTubeなどで話している内容だ。台本や打ち合わせなどで用意をしてから番組を撮り始める。実際に撮っていくなかで、流れが台本とずれてくる。台本の流れに戻そうとすうるもどうしてももどらない、ええいもうこのまま行ってしまえ!そうなったときに、台本で準備しているときには想像もしなかった面白いものが生まれるという。(よく話している例としては、ゴットタンのキス我慢選手権の初回、劇団ひとりとみひろの回など。)
ただ、それなら台本などを用意せずに最初から現場のライブ感だけでやればいいのではと思ったりしてしまうが、そうでもないようだ。実際(うろ覚えなのだけど)「アイデアの作り方」で言われていたように、しっかり頭に叩き込んだあと、一旦それを脇に置いて寝かせる。ふとした瞬間に、点と点が繋がりアイデアが生まれるといった現象とも近い。自分の経験としても、研究をしていた時期には、机に向かってうんうんうなっているときより、唸った挙句にトイレにいったり、シャワーを浴びているときにアイデアが浮かんでくるといったことがおおかった。
ざんざん準備した挙句、ふと訪れるアイデア、そういった現象には一定の普遍性があるのかと思うと面白い。
Kindleと物体としての本
今回の読書では、最初から最後までKindleで読んだ。本棚の容量の限界もあり、上記のとおり、ハイライトから面白いところを引用することができるのはとても便利である。これから新書に関しては基本的にKindleで買おうかと思っている。岩波新書が書籍版と同タイミングでKindle版が出ないことには正直驚いたのだが・・・。
物体の本を読む場合、今現在読んでいるページの位置が、読んだ部分の厚さと残りの部分の厚さから手の感触によってい常に分かることになる一方で、Kindleの場合、シークバーなどを隠すことで現在読んでいる位置がどこなのか分かりにくいという違いがある。この違いは、メリットにもなればデメリットにもなる。例えばミステリを読んでいる場合、残りのページがどれくらいかによって、謎の解決について予測できることがある。風呂敷が広がっているのにもかかわらず、謎の解決がなくページ数が少なくなっている場合は、「きっとこれは不条理解決だ・・・。」と予測できてしまう。一方で、Kindleの場合、そういった「メタ」な情報を遣った推測が効かないため、実際に書かれている内容だけを純粋に楽しむことができる。
しかしながら、これはデメリットにもなる。例えば、読んだ後に振り返って調べたりすることの多い本などの場合、「あそこで読んだ内容って、どこら辺だっけ?」となったときに、紙の書籍ではなんとなく位置を覚えているのに対して、Kindleでは全然わからない、ということがある。もちろんテキストであれば、文字列を検索することができるのではあるが、いちいち検索するのは面倒だし、その検索ワードまでは思い出せないといったことが生じる。
翻って、その「本」との関係性によって適した形態が異なるのだろう。KindleにはKindleの、紙の本には紙の本の良さがあるのだ。
余談
このように、何か書き始めると話が発散してしまうし、まとまりを持たせるように書き直すことも面倒になってきてしまう。まあでも、『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』 を読んだあとなら、それでもいいか、と断念できるようになった。
分野別 初中級者が解くべき過去問精選 100 問 in python(二分探索)
レッドコーダーが教える、競プロ・AtCoder上達のガイドライン【中級編:目指せ水色コーダー!】という記事にある、分野別 初中級者が解くべき過去問精選 100 問をpython解いている。今回は、二分探索の6問!
Google Colabに置いたのはこちら。 colab.research.google.com
続きを読む分野別 初中級者が解くべき過去問精選 100 問 in python(全探索: 順序列探索)
レッドコーダーが教える、競プロ・AtCoder上達のガイドライン【中級編:目指せ水色コーダー!】という記事にある、分野別 初中級者が解くべき過去問精選 100 問をpython解いている。
今回は、全探索:順序列探索の3問!
続きを読む分野別 初中級者が解くべき過去問精選 100 問 in python(全探索:ビット全探索)
はじめに
レッドコーダーが教える、競プロ・AtCoder上達のガイドライン【中級編:目指せ水色コーダー!】という記事にある、分野別 初中級者が解くべき過去問精選 100 問をpython解いている。
今回は、全探索:ビット全探索の5問!
続きを読む勉強もできるのか、勉強しかできないのか
実を言うと最近入籍しました。大学院より前の童貞時代を知る人からは結構驚かれているわけで、若い頃の知り合いであればあるほど強い反応をいただきます。いったい中学生とか高校生のときとか、どんな人間だったのやら。
一つ、そこそこの親戚からいただいたお言葉で引っかかるものがあったので、この文章は、それについてもメモみたいなものです。
あの誰々がねぇ。若いころは勉強しかしていないと思っていたのだけど、普通の青年だったのね。
まあ、親族のなかで私だけ勉強ができることもあるのでしょうが、舐めないでいただきたい。勉強ができる -> 勉強しかしていないと脊髄反射するのは違うでしょと。実際、高校は部活漬けだったし、中学も陸上部がなかったから、家に帰ってから河原をひたすら走っていたわけで。もちろん、文化祭や合唱コンに心血を注いでいたのですよ。あと、普通って何だよ。
翻って教訓
- 作者:鷲田 清一
- 発売日: 2010/02/09
- メディア: 文庫
今井むつみ『英語独習法』(岩波新書)を読んだ
なぜこの本を手に取ったか
twitterで読もうかなと、つぶやいている人をみて、この本が出ることを知った。もともと同じく岩波新書の『学びとは何か』や『ことばと思考』を読んでおり、信頼できる認知科学者から英語学習法についての本が出ると知って読まずにはいられなかった。
超訳
自分の中で活かすことができるためには、自分なりの理解=超訳としておかなければならない。本書はスキーマという認知科学で知られている概念を切り口に、効果的な英語の学習法(とその裏にある理屈)を展開している。超訳すると
- 英語を使うとき、日本語スキーマが邪魔するせいで英語ができない(=英語スキーマが出来上がっていない。)
- 英語ができるという状態は、英語のスキーマができている状態である
- スキーマのずれを自らが認識するとき、人は一番学ぶ
さらに要約すれば、英語スキーマをなんとかして作ろう、という言葉に尽きるか。ただ、これじゃあ、英語ができるようになろうと言っているのと同じなので、認知科学の知見から分かる効率的な英語学習方が書かれている。*1
知ってよかったことなど
認知科学についてはわりと明るいので、認知科学の言葉で英語ができることとはどういうことか語られていて、自分としては思考が整理されたように思う。もちろんツールという意味ではSKELLを知れただけでも儲けもんだった。COCAとかは知っていたのだけど。SKELLはもっと軽い気持ちで使えそうなところがいい。とりあえずAnkiのデッキに、カードの単語を検索するSKELLのリンクを追加して、気になったタイミングでアクセスできるようにしてみた。
一つ疑問だったのは、SKELLが紹介されて、シソーラスといった辞書の話が出てこないというのは何故なのか、という点。Oxford Learner's Thesaurusなんか、SKELLで実現したいことを同様に果たせるとうに思うのだけど。SKELLの方が例文も多いしWebの力をふんだんに利用できるから、わざわざシソーラスに触れる必要はないということなのかな。ちょうど物書堂さんからOxford Learner's Thesaurusが出て買ったところ(本はすでに持っていた。)なので、シソーラスが触れられていない理由が気になった。
ただ、単に紙面の都合、ということなのかなと思われる。一般的な意味で「辞書」という言葉は登場しているし、スキーマのずれと、その解消という原理原則を理解してもらえれば、シソーラスでもSKELLでも好きなもの使ってくれ、ということなのだろう(し、理屈さえ押さえれば、必ずしも本書の勉強の則る必要はないと書いてあった。)
また、どのレベルを目指す人向けに書かれているのか名言されている点も、真摯だなぁと思わずにはいられなかった。
本書は主に、仕事の場でアウトプットできるレベル、すなわち自分の考えを的確・効率的に表現し、相手に伝えられるレベルの英語力を目指す人に向けて書かれている。(p.15)
あとは、英語が流暢であっても、話す内容に中身がなければ意味ないから、といった考えは、研究者だなぁと共感してしまった。(実力のある大御所日本人が私より下手な英語で発表をしても、中身があるからみんな必死で聞くんだよね。もちろん、もうちょっと英語ができることに越したことはないのだろうけと。)
そのほか、映画を使った学習法は、ほとんど同じことをやろうやろうと思っていてやらずじまいだったので、この本で後押しされたことにして取り掛かりたい。Netflixはclosed captionが尋常じゃないほど充実しているし、何よりLanguage Learning with Netflixとかいうchromeの神extensionがあるのが心強い。
最後に
認知科学に割と明るく*2て、英語学習について悩んでいる人は是非とも読むべき一冊だった。
- 英語独習法 (岩波新書 新赤版 1860)
- 学びとは何か-〈探究人〉になるために (岩波新書)
- ことばと思考 (岩波新書)
- 教養としての認知科学
認知科学については、この本がわかりやすくとても面白かった。
全探索、動的計画法、分枝限定法(枝刈り)、ダイクストラを実装して比較してみた
はじめに
『アルゴリズムパズル ―プログラマのための数学パズル入門』という本を読んでいたところ、問題20の山下りの最大和が以下のようなものだった。
正の整数が三角形状に配置されている。この三角形の頂点から初めて、それぞれの回想で直前に選んだ数字と隣接する1つの数字を選びながらふもとまで降下していくときに、たどった数字を合計したあたいの最大値を求めるアルゴリズムを設計せよ(もちろん、全探索よりも効率的であること)。
答えとしては、動的計画法を使えば全探索より効率的に解を求めることができるわけであるが、問題設定が簡単で、かつ色々なアプローチを考えることができるので、勉強していたことをいくつか試してみた。
jupyter notebookはここに置いておいた。
続きを読む『機械学習のエッセンス』を読んだ
とりあえずのメモ
- 第3章の「機械学習に必要な数学」は、知っている内容だったので読んでいない。
- 上記の部分についても、濃い内容だった。
- 掲載されているおおよそのコードの動きは把握し、必要に応じて写経した上で動かした。
- 自分でスクラッチで書いてみとと言われたら、まだまだ難しい。
- (なので)必要に応じて振り返りたい。
- 数値計算の基本ということで、桁落ちの話題が載っているのは、ありがたい。参考分家に「数値計算の常識」が出てきて、元物理学徒としておおぉとなった。
- 量子力学で使われているブラケット記法は便利だったなと。縦ベクトルと横ベクトルや射影演算子をブラケットに変換せずに考えられるようにならねば・・・。
- Lagrange multiplierについてはSemidefinite programの文脈でdualityやKKT conditionまでさらっと勉強したことがあるのだけど、\lambda の符号の取り方とか、なんだかわからなくなってモヤモヤしているので、一般的な記述で扱われている何か他の本を当たってスッキリさせておきたい。
- Principal Component Analysis(PCA)って単語では聞いたことあったのだけど、「特徴量をできる限り保ったまま、次元をへらしたい」という、結構シンプルなことを目指しているのだと知れたのはよかった。読んでいて、singular value decompositionすればいいじゃんと思ったら、案の定したので、とても懐かしかった。
- (自分のバックグラウンドのせいもあって、)数式を追ったりする場合は、もう少し抽象化された記述だと楽だなぁと感じた(のでそういった本も読まねばな。)
- Pythonの知識が足りない。(この本に書かれているコードの動きを把握したり、必要に応じてググって理解したりするために必要なことはおよそ書いてあると思います。が、pythonやプログラミングについて全く知識がない訳ではないので、全く知識がない人が読んだら読めるのか、というのは正直分からん。全く知識がない人は本書を最初に手に取ることもないのではないか、と思う。本屋でみたら結構分厚かったし。)
あーそっかと思ったところ
言われれば「確かにそうか」と思うのだけど、言われるまで自分の頭の中で整理できていないことってあるよね。
p280において、一般的な(機械学習の)手続きが書かれていて、例えば教師あり学習については、
model = Algorithm(parameters) #インスタンス化 model.fit(x, y) # 学習 y_predicted = model.predict(X_test) # 評価用データについての予測値を取得
と、シンプルに整理されている。その後にスクラッチで書いていくコードも、上記の手順の整理を踏まえたものになっている。もちろん、この手順の他にも、そもそもparameterとなるデータをきれいにしたりだとか、性能評価や、そもそもどのアルゴリズム使うねん、という(泥臭い)手順がたくさんあるのだけど、上記の3行で記述されている部分が、機械学習の「エッセンス」なんだろうなぁと読み取った。
次どうする
どうなんでしょう。『見て試してわかる機械学習アルゴリズムの仕組み 機械学習図鑑』読んで、もう少し広く把握したあと、python自体について勉強したい。(業務で「きれいなグラフ作って」という雑な仕事が舞い込んで来る可能性があるので、そこまでにはpythonでのデータ処理と可視化をスムーズにできるようにせねば。最悪Rでやろう。)