『知的複眼思考法』を読み返した

『知的複眼思考法』を読み返した

読み返した経緯

『解像度を上げる』という本を読んでいて、疲れているときに読んでいたこともあってか、いまいちピンとこない状態が続いていて、放置をしていた。再度読もうと思った際に、「終わりに」で挙げられている特に参考にした書籍として挙げられていたので、久々に読み返してみるか、と思い、手に取った。持っているのは、2002年に講談社+α文庫として刊行されたもの。

読み返してどうだったか

最初に読んだのがいつだった忘れてしまったものの、 (読む・書くということを通じて)「自分の頭で考える」ということを分かりやすく、例を挙げて具体的に書いた本は、ほかにはないと感じる。高校を卒業したての大学1年生に読ませるのにちょうど良い。

特に自分が大事だと考えることとして、

  • 決まり文句や紋切り型の言葉に流されることなく、自分との関わりの中で考えるという姿勢
  • マジックワード(人の考えを止めてしまう抽象的な概念)・禁止語への注意
  • 概念の導入による新しい発見(ジェンダーという言葉の導入)
  • 問いに対するメタな視線(この問題を問題とすることで得をする・損をする人はいるか)

といったことが書かれていて、あーそうそう、とよい復習になった。(というか、そもそも、昔にこの本を読んでそういったことを大事だと考えるようになったのではないか。)

ただ、文章の例として引用されている新聞記事だったりが、いかんせん古いところが気にはなった。文章の内容を批判するにあたって、いまの世の中での前提と、当時の世の中での前提の違いを意識しながら読む必要がある。そういった前提に気をつけながら読むことも重要な訓練ではある(実際、書籍内のコラムでそういった読書法が紹介されている。)し、知的複眼思考という概念自体は刊行当時であっても今も身につけるべきものであることに変わりはない。ただ、この本を手に取ってパラパラめくって例として挙げられている文章を読んだ際に、「古くね?』と思われてしまうとしたらもったいない。改訂なりアップデートなりされれば、大学生協なんかでバカ売れするはずだし、人にも勧めやすくなるので、改訂されないかなぁ。

関連する本など

『解像度を上げる』も読むつもりではあるが、特に参考にした書籍として『知的複眼思考法』以外に挙げられている書籍を読んでみましょうかね。 特に、『論理的思考のコアスキル』は気になったし、書籍の存在を知らなかったので、読みたい。