試験対策本をできる限り避けて応用情報技術者試験を受けた

試験対策のために書かれた本を読むのは、割と苦手というか苦痛である。おそらくは、試験対策本には全体の流れというか構成の意図がみえないことと、目的を縛られることが原因だと思われる。試験対策本を読まなくても、その内容に関する知識や考え方が分かっていれば問題は解けるはずなので、試験対策本をできる限り避けて勉強をしてみた。

また、応用情報は試験範囲自体がとても広く、各トピックを個別の書籍などで勉強しようと思ったときに、ちょうどよい書籍を選ぶ・探すのが難しかったように感じる。試験について調べると試験対策本ばかりが出てくるので、同じように個別の書籍で勉強したいと考える人にも参考になるかもしれない。

なお、先週の2023年4月16日に受験した。自己採点をした結果、午前は合格しているようで、午後も感触的には合格点は取れているはず。

大前提

これを書いている人間は、非IT系の仕事をしている理系博士号持ちの30代。プログラムは仕事で書くことはほぼない。普段の読書量から考えて、文章を読むことは世間一般と比較してかなりできる方であるので、午後試験への無対策度合いは一定程度割り引いて読んでほしい。

試験の直近3ヶ月くらいで読んだ本

達人に学ぶDB設計 徹底指南書

わかりやすい。データベースの設計についての話なので、SQLについて知らなくても読めることは読める。サクサク読むことができる。

暗号技術入門 第3版

数学が得意(一般的な大学理系)であれば、ちょっと冗長なところもあるものの、前提知識が全くなくても読めるのは魅力。

図解入門TCP/IP

ネットワークについては、ざっくりとした説明の本だと、細かい話が理解できないし、こういった割と細かい話が書いてある本だと、じっくり読む必要がある。ざっくりした概要について理解しているものの、細かいところについはあまり覚えていないので、知識を身につけるためには何度か読み返す必要がある。

あと、なんで物理層から説明するのだろう。例えば、実際のウェブページにアクセスしたときにやメールを送付するときとか、ユーザーの末端から、どのおようにネットワークで情報が伝播するかという流れでアプリケーション層から説明した方が分かりやすいのではないかと思った。

セキュリティ技術の教科書 第3版

こちらについてもネットワークと同様に、細かいにところについては理解が及んでいないところも多く、とりあえず1回読んだという状態。仮に、情報処理安全確保支援士試験を受けるときになったら再読したい。

読んだことがあって、役に立った本

  • SQL 第2版 ゼロからはじめるデータベース操作
  • Pythonによるアルゴリズム入門
  • 問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造
  • 現代数理統計学の基礎
  • 担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座

読んで得ていた知識が応用情報の問題に出てくることはあるかもな、といった本。読んだ時期もまちまちだし、応用情報技術者試験に対しては完全にオーバーキルなので、試験のために読むといったことはない。

過去問

仮に落ちたりしたら7500円が無駄になるので、一応、過去問など試験対策もしていない訳ではない。

午前試験対策

  • 全問解説付 応用情報技術者 午前 一問一答問題集

iPadのアプリを購入してちまちま進めていた。基本的に通勤の帰りの電車で、もうほかに何もする気力がないときにやるようにしていたので、勉強する環境としては最低の状態だった。特に進捗管理をせずに進めており、最終的に問題の7割を1回解いたくらいの状態で試験に臨んだ。

正直、中途半端に勉強するくらいなら上記の本を読むときに一つ一つの用語に注意して読んだ方が精神衛生上よい気がした。ただ、今回の自分の勉強の仕方だと全て必須回答である午前問題の方が点数を取ることが難しいはず。午前試験は本当に過去問が使いまわされているので、確実に合格したいのであれば、過去問をある程度学習しておいた方が良さそう。

もう少し効率的にやるのであれば、試験1月前くらいに直近の過去問を80問解いて合格ラインに達しているかどうか判断した上で、過去問の勉強をするかどうかを決めればよかった。

午後試験対策

  • 応用情報技術者 午後問題の重点対策

一応、定番ということで買ってみた。明朝体をボールドにしていたりフォントが見づらい。試験1ヶ月前にデータベースとプログラミングの問題を1年分解いて、組み込みシステム開発の問題を見て、この3つで確実に50点は取れそうであったので、それ以降は特に何もしなかった。

実際の試験の感想

試験時間が長すぎる。午前・午後ともに2時間30分あり、どう考えても時間が余る。そもそも問題の性質上、時間をかければ解けるといったものでもないので、どちらも2時間とかもう少し短くてもよいのではないか。ただ、幸いなことに、途中退室が可能なので、いかに早く終わらせるか、という勝負になる。実際、午前は90分、午後は100分で退室した。しかし、午前と午後の試験の間は、もともと1時間の休憩時間があるので、実質2時間待つことになった。

駅から試験会場まで、大量の受験者の列ができていたので、割と時間には余裕を持った方がよい。ただ、開始30分までは入室可能なので、試験開始後に入室してヒマな時間を削減するのもありかもしれない。もちろん、周りの人間は気が散るので迷惑ではあるが。

同じ3人がけの机で受験していた人が午前試験を受けたのにもかかわらず、午後試験は受けていないようだった。受験料がもったいない。あと、空席も多かったので、そもそも試験に来ていない人も多い様子。

午前試験

1問1分くらいのペースで、最初に問題用紙の選択肢に印をつけていった。最後まで解き終わったらマークシートに転記し、そのあと解答とマークミスがないかどうか確認をして90分。

午後試験の選択問題

午後試験は、

  • 情報セキュリティ
  • プログラミング
  • データベース
  • 組み込みシステム開発
  • プロジェクトマネジメント

を解いた。プロジェクトマネジメントは、過去問含め初見だったので、問題の趣旨というかどういったラインでの解答が求められているかわからなかったけれど、とりあえず全部埋めた。

当日は、プログラミングに40分くらい時間をかけてしまって少し焦ったものの、それ以外の問題については特に詰まることもなく、15分くらいで解いていって100分で終了。

プログラミングについては、最初にアルゴリズムを理解しようとしたせいで時間がかかってしまった。問題となっている箇所は、正直アルゴリズムを理解していなくても答えることができたように思うので、時間が足りなくなった場合は解答を作ることを優先することもできるはず。

これからどうするか

合格しているという前提で、秋試験で何を受けようか悩む。一番簡単なところであれば、データベーススペシャリストなのだろう。とりあえずTOEFLと受けたくて、可能であれば統計検定1級も受けたいなと考えているので、時間の使い方には悩みそうだ。

社会人1年目の教科書にも書かれていたとおり、半年に1つくらい資格試験をセットしてモチベーションを保つようにしたい。

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