NETFLIXでサムネイルを見てあれ見覚えがあるぞ、と思い俳優を調べたところ、ジェイク・ギレンホールという人らしい。調べてみると、デイアフタートゥモローの主人公ではないか。デイアフタートゥモローは10代のときに地上波で放送したら必ず見ていたこともあって、見返した回数がトップ5くらいに入る映画だった。
911のオペレーターを勤めるジョーが女性からの通報を受けて事件が始まる。基本的にオペレーターと登場人物の通話を通して物語が展開していくようで、設定的にありそうであまりないし、90分と手頃な長さでこれは面白いそうだ、と思いマイリストに入れていたところ、時間が取れたので見てみた。
設定はよかった。ただ、徐々に明らかになっていく「明日」の出来事について驚きがそこまで大きい訳でもなく、それ以外の物語の展開はベタ中のベタで最初に思いついて流石にそれはないですよね、と思ったものだった。途中までハラハラしながら見れていたもののオチが予想通りすぎて、緊張感がどこかへ飛んでいく。油断したところで、さらにもう一度ひっくり返すくらいあってもよかったなとどうしても思ってしまう。TENETなどを見たせいでハードルが上がっていたのかもしれない。
見終わったあと、調べてみるとどうやらデンマークの映画のリメイクらしい。NETFLIX版を見た後すぐにリメイク元を見る気にはならないが、もしかするとリメイク元の方が面白かった可能性もある。
ジェイク・ギレンホールの演技は、怖いくらい迫力があった。ジョーのイライラや精神的な不安定さが観ているこちらにも伝わって来るくらいに。ただ、オペレーターの通話で物語が進行するのであれは、映像による情報の伝達はもっと薄いくらいがよかったのではないか。英語は字幕なしでは聞き取れないのだけれども。
似たような設定
この設定に似たもので何かあるかと思ったところ、ぱっと次の本が思いついた。
- 『恋文の技術』(森見登美彦)
- 主人公が出す手紙だけで物語が進行する。「書簡体小説」というらしい。
- 『Q&A』(恩田陸)
- ある事件に関するQ&Aだけで物語が進行する。
- 『プラスティック』(井上夢人)
- 謎の独白文だけで物語が進行する。
いや、もちろん「十二人の怒れる男」とかも似たような設定なのだろうけど、古いわ。ワン・シチュエーションという点で言えば「ソウ」とかも近いのかもしれない。なんだかんだで割と好きなタイプではある。